Voyage de VARNA公式サイト形だけは阿辻が戻してくれた。専門外なのに偉い。
訂正して修正するのもそこまで時間はかからないそうだ。

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スターゲイザーでお楽しみ下さい。 07:21

「山を挟んで市街地には10万ドルくらいの夜景、山を挟んで

 夜空には満天の星空・・・変なキャッチコピー。ねぇ、これで

 本当に東京からお客さん増えるのかなぁ?」

「さぁ、だけどもう、ワインとほうとうと武田信玄だけじゃ

 観光客はどっとは押し寄せてはくれないさ」

「鳥もつ煮込みも、もはや過去のバブルかぁ。あの時は盛り上がったんだ

 けどなぁ、いきなりコンビニでも売り出したりしたもんね」

「観光客が増えれば金回りももっと良くなるんだろうけどな。はぁ、観測台の

 予算、また削減だってさ。例の新型「光学望遠鏡」来年以降に持ち越し」

「・・・・やっぱり。なーんか嫌な予感してたんだよねぇ。今のこの街に

 星空に回す予算なんかあるわけないよねぇ・・・」

「悪かった。今日、言おうと思ってたんだ・・・・本当に力不足で申し訳ない」

「謝らない、貴方一人でどうにかなる問題でもないでしょ」

「実権のない予算係さ。本当、申し訳ない」

「ま、宇宙の研究よりも毎日の生活が第一、そりゃ仕方のない話ですよ」

「ロマンより生活、空想よりも現実、それが実情さ。最後に劇場に足を運んで

 舞台を見たのはいつですか?って聞かれて「舞台なんて見た事ないわ」って

 答える人は多いのと同じさ。映画館だって行ってないかもしれない」

「・・・・ねぇねぇ!」

「なんだよ」

「「街中がプラネタリウム、満天の星空ショーは毎日開催中!」このキャッチ

 コピーいいじゃん。空を見上げるだけで、本当は毎日空想の世界に足を

 運べるんだよ!素敵じゃん!」

「そうだな、それがこの街のいい所だな」

「営業の人間に知り合い居なかったかな。私のキャッチコピー使えって言おうかな」

「だけど、俺はこの「特等席」だけは、誰にも譲る気はないけどね。さぁ

 俺達だけの秘密の観測点・・・到着。」

 

「さぁ・・・ちゃんと帽子も被って出ろよ、外はマイナスだぞ」

「うん、分かってる。はい、手袋・・・外はマイナスよ」

「・・・・気合い入れて行くぞ」

 

「うわあああっっ、やっぱ、さ、寒い。ささ、さ、刺さるように寒い」

「ぬあああああ、三枚じゃ足りなかった、くー、四枚着込めば良かった、さ、寒い」

「・・・に、しても。ひゃああああ、今夜は半端なく見えるなぁ、雲一つない

 満天、これこそ満天の星空だ。図鑑でしか見た事ないぞ、こんな星空」

「本当、良かった。明日から天気悪くなるらしいから「今日」ここまで晴れてくれて」

「これで寒くなきゃなぁ・・・・俺20分が活動限界かも・・・」

「寒い方が綺麗に見えるのは「苦労した甲斐」だけじゃないのよ」

「そそそ、そ、そうなんだ」

「1月と2月は「晴れの出現率」が最も多いのよ」

「へぇ、そうなんだ。イメージだけなら「夏」なんだけどな」

「そうなのです。・・・でも良かった「今日」晴れてくれて」

「あっ!なぁ、ほら。全部見えるぞ「冬のダイアモンド」」

「お、よく覚えた、偉い」

「そりゃ覚えるさ、何度、お前に聞かされたと思ってるんだ。

 カペラ、アルデバラン、リゲル、一番明るいシリウス、んでプロキオンと

 後はポルックス・・・・どうだ」

「正解!では、プレゼントの商品はこちらです」

「ぷ、プレゼント?なんだよ、金銀パールか?」

「じゃーん、暖かいお飲み物をご用意致しましたとさ」

「なるほど、そりゃあいい。この寒空の下じゃ、何よりのご馳走だ」

「はい、じゃあ、マグカップ」

「いいねぇ、その綺麗な説明がサウンドドラマっぽいよ」

「はい、減点そういう事は言わない。量減らすよ、まったく」」

「これは・・・ココアか?。いいなコーヒーじゃないところが・・・」

「ぶー。鈍感。これ「ホットチョコレート」」

「・・・・「ホットチョコレート」なんだそれ?」

「鈍感。ココアの中にチョコレートが溶かしてあるの」

「なんでまたそんな面倒な事を」

「もー、本当に鈍感。グレゴリオ暦で今日が何月何日か言えばわかるわ」

「に、2月の14日・・・・あー、そうか「バレンタイン」か、そうかそうか

 そういえば、そういうものもあったな、バン・アレン帯の誕生日だ」

「古い、ネタが古すぎる。年がばれるわよ。もー、だからホットチョコレート

 分かる?彼女の優しい思いやり。ヘビーランス。・・・・あ、あちっ」

「お、おいっ。大丈夫か。気をつけろよ、猫舌なんだから」

「うん・・・ご、ごめん」

「前にも言っただろ、熱い飲み物はじっと30秒見つめてから一口目を飲む」

「餃子は?」

「1分見つめろ。グラタンは?2分」

「ふふふふふふふっ。なんでこんな熱いものがそんな勢いで飲めるのか理解出来ないよ」

「猫舌の人間は舌の使い方が下手くそらしいぞ、猫舌じゃない人間はその辺が上手いのさ」

「そんな事言われても、そんな勢いで飲めないよ」

「ああ、それよし。もう、それ、飲んでよし」

「はぁ・・・」

 

「はぁ・・・それにしても、ため息が出るくらい綺麗な星空だな」

「綺麗だね」

「・・・・ああ、「綺麗」って言葉じゃ足りないくらいだ」

「いいね、そういうの」

「「詩人」だろ、意外にそういう所」

「そうだね、いつも話してくれて、色んな事知ってて、色んな場所に行って

 いろんな時に便利な人だよね」

「なんだよ、その言い方。俺は別に街の便利屋さんじゃないんだぞ」

「あ。ねぇ、ミスターワークマン」

「だれがミスターワークマンだ」

「ねぇ、ニトリ」

「遮光カーテンも安いぜニトリ、誰がニトリだ」

「ねぇ、クラシアン」

「水のトラブルも安心ってかおい。トイレの詰まり直すだけで8千円取るぞ」

「聞いて欲しい事があるの・・・・」

「(笑)いいぞ・・・・何でも言え。このホットチョコレートの御礼だ、さぁ、何でも言え

 来月のホワイトデーに何が欲しいんだ。受け止める、直球でも受け止めるぞ」

「(笑)・・・・うん」

「にしても、このチョコレートの貰い方はいい思い出になるなぁ。考えたな

 液体で来るとは思わなかったぞ。嬉しかったよ・・・何よりうまかった」

「「最後のバレンタイン」だから・・・・いい思い出にしたかったの」

「えっ?」

「私・・・やっぱり行く事にした「アルマ天文台」」

「そうか・・・・そうだろうな」

「どうしても。・・・・どうしても・・・私の夢を叶えたいの」

「・・・そう、いつも言ってた。5000mの高山地帯じゃ、星が明るすぎて

 最初は眩しい「まるで宇宙を虫眼鏡と顕微鏡で見るくらい違うように見える」

 どんな所なんだろう。途方もなく遠い地球の裏側だ・・・・君はこんな小さな街では

 収まりきらない夢を持っている。それでいい、それがいい」

「ごめんなさい」

「どうして謝るんだ、君は君の夢を叶える、それだけの事だ。男と女はロジックじゃない」

「でも、お別れだよ?もう会えなくなるし、手も握れなくなる」

「そうだな、寂しくなる。君のいなくなる街。君のいなくなるカフェ、どこもかしこも

 思い出だらけで・・・・本当、街中だ」

「・・・・だけど、それは私のいた街。私のいたカフェだと、貴方だけが知っている

 街中に残った「私」は貴方の記憶の中に」

「そうさ、だから君の想いも、君の苦悩も、君の夢も、俺だけが知っている」

 

「心配するな、見事に送り出してやるさ。君の喜ぶ事がしたい」

「・・・・だから話そうって、だから行こうって決めたの」

「分かった・・・・もう、分かった。」

 

「冷めちゃったね。ホットチョコレート」

「十分だ。心はこんなに温かい。今ならここで強がって寒風摩擦を始められる位だ」

「今夜、帰ったら・・・・私、もう泣いてると思う」

「俺はしばらく強がって、送り出した素敵な男でいるよ。んで、その後

 何年も何年も後悔しながらめそめそしてる所に、次の素敵な彼女と出会うさ、心配すんな。」

「いつか、何年、何十年先に帰って来たら・・・・会ってくれるかな?」

「ああ・・・その時は「オカエリナサイ」と迎えてやるさ。任せろ」

「ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう」

 

「お別れだ、だけど君との出会いは「ありがとう」じゃ、足りない位だ」

「いいね、そういうの。本当に足りない、本当に・・・」

「詩人だろ。だけど・・・・最後はもう言葉でも足りない・・・・」

 

「満天の星空の下、俺達は最後のキスをした。それは宇宙から見れば一瞬の

 俺達の心には「永遠」のような「一瞬」バレンタインの季節には

 15年前の、あの日の事を思い出す。2029年、2月14日・・・。」

| 貝沼大介 | comments(2) | - | posted by VARNASTAFF - -
Comment








あーゆれーないで
メーモリー♪
posted by ゆうり | 2018/08/09 5:56 PM |
シルキーだなぁ。
posted by けーま | 2018/08/09 11:00 PM |
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