Voyage de VARNAバタンキュー

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いずみ先輩 22:13

高校の時に、アイドル並みに可愛い先輩がいた。

別高校にもファンクラブがあると風の噂に聞くくらいだ。

彼女は何故か俺を避け、話しかけても踵を返して逃げてしまうほど

俺を避け続けた。特に嫌われるような事はしていないのだが、

とにかく逃げられ、避けられ、何か縁起の悪いモノのように扱われた

いずみ先輩は演劇部の幽霊部員で、ほぼ帰宅部だった。

高校2年生の時、いずみ先輩達の卒業式があった。在校生の僕らは

拍手で見送った。その帰り、突然、いずみ先輩が俺の前に立ち

 

「大ちゃん、一緒に帰らへん?」

 

と言ってきた青天の霹靂とはこの事である。無論、いずみ先輩からの

嬉しいお誘い、断る理由など一つもなく二つ返事で駅まであるいた。

周囲はもうすっかり夕暮れで、俺といずみ先輩は少しだけ距離を置いて

並んで歩いていた・・・話す事がない。とにかく二年間避けられ逃げられ

話すにもまともに話した事がないからだ。きっと素敵な彼氏がいて

その人と帰るとばかり思っていた。

 

「大ちゃんってさ、ずっと「貝沼大」だと思ってたの」

 

素っ頓狂な事を言われる、僕の名前は大介だ。しかし先輩方からは

「大ちゃん大ちゃん」と呼ばれていたので、いつの間にかいずみ先輩は

「貝沼大」だと思っていたのだ(そんな名前あるのかなぁ・・・)

 

「はははっ、俺の名前は大介ですよ」

「そうそれをS君から聞いて驚いちゃって。私な占いが好きやん?」

 

いずみ先輩は行動の全てを占いで決めるほどの占い好きで、ラッキーカラーやら

ラッキーアイテムなど、その日にあわせてコーディネイトするくらいだ。

 

「それでな、貝沼大と○○いずみで相性占いしたら、最悪やってん。この人と

 いると不幸になる。よくないからあまり近づかない方がいいって」

 

正直ぽかーんである、同時に腑に落ちる。どうりでまるで化け物に出会ったかのように

逃げて避けられるワケだ。苦笑いしか出てこない。そもそも部員名簿とか調べればいいのに

じゃあ、俺が同級生には「ぬま」と呼ばれていたのだが、その場合は「沼大」という

意味の分からない名前になってしまう。

 

「そんでな、貝沼大介で相性占いしてみたら。運命の人、あなたを幸せにしてくれる人

 友達だけじゃなく恋人になれるかも知れない、って出てん・・・」

「は・・・はい」

 

するといずみ先輩はちっちゃな手で俺の手を握って

 

「今日、最後やさかい一緒に手繋いで帰って」

 

その時に「やべ、俺彼女いるんだけど。これは・・・浮気じゃないよな。あくまでも

いずみ先輩へのサービスというか何というか、俺も嬉しい誤算というか何というか・・・」

と頭の中で言い訳しながら、手を更に握り返した。

 

そこからは何を話したか覚えてない、だけど俺達にとってその下校は一生に一回しかない風景で

その風景を最後にしたかったいずみ先輩の事ばかりを見ていたような気がする。

人の多い大通りではなく、川沿いの田舎道をJRの駅まで4キロくらいある道をあるいた

駅に着く頃には日も暮れてすっかり暗くなっていた。

 

繋がれた手を離す時が来た。

 

「あのな、大ちゃん。○○ちゃんの事大事にせなあかんで」

彼女の事を言われた。「は、はい・・・大事にしています」

「ううん、今日な○○ちゃんに大ちゃんと一緒に帰っていい?ってちゃんと

 お願いしてきてん。だから、今日あった事は○○ちゃん知ってるから」

 

そして手はゆっくりと離された。

 

「大ちゃん今日はありがとう。来年は部長やね、がんばって」

「ありがとうございます。いずみ先輩も大学行ってもがんばって下さいね」

「いずみちゃんでいいよ、大ちゃんだけやでいずみ先輩」って呼ぶの

「じゃ・・・いずみちゃん・・・も頑張って下さい」

「うん!ありがとう、バイバイ」

 

そう言って彼女は俺に背を向けてそのまま駅の中に吸い込まれていった。

追いかける事も出来た。いずみ先輩は高校に入って最初に好きになった先輩でも

あったからだ。だけどいずみ先輩を追う事はしなかった。

 

そして・・・彼女に電話した

 

「いずみ先輩と一緒に帰った。今日は一緒に帰れなくてごめん」

「いいよ、貝沼君は今日はいずみちゃんのもんやもん」

「なぁ、○○。今度、京都に映画でも見にいかへん?」

「いいね、予備校ある日に早めに出て一緒に新京極あたりブラブラしよ」

 

いずみ先輩と少しだけのデートが終わって、彼女とのデートの約束を取り付けた。

いずみ先輩は何か言いたかったのかも知れない。いずみ先輩は本当は俺と

話をしたかったけど、占いを信じすぎていて逃げてばかりだったから勇気を出して

呼び止めてくれたのかも知れない。

 

そんな金曜日の午後22時あたり、FMのラジオから流れてきたのは

当時大好きだった谷村有美の番組。一曲目はこの曲だった。

永遠に続く恋はない、そしてたった一日の、ほんの数時間だけの恋もある。

いずみ先輩、あれからもう20年経っちゃいましたよ。10年一昔を2回やっちゃいましたよ。

 

それでは聞いて下さい、谷村有美で「恋に落ちた」YouTubeが再生出来ませんだと。

いずみ先輩・・・やっぱりアンラッキーかも知れませんよ俺達。

代わりに矢野顕子御大と共演されてる動画を貼ってみる。かなりアレンジ加えられてるけど。

 

 

| 貝沼大介 | comments(4) | - | posted by VARNASTAFF - -
Comment








はっはっはっ…ふらんしゅしゅっん!
あーーーーぉーーーーん!!!
いまから送ってもらったドラ鳥の肉食おうとしてたのにはらいっぱいになっちゃったじゃねーか!
宝当神社までぶっとばすぞ!www
ふらんしゅしゅっん!〔ビエーン〕
posted by 山田じゃないたえ | 2018/12/21 10:18 AM |
<山田じゃないたえ様
言葉の意味はよく分からんが、なんだか満足頂けたようで。
posted by 貝沼@座長 | 2018/12/21 8:16 PM |
あーーーぉーーーーん!!鮮やかにスルーされたか!流石です!ちなみにドライブイン鳥の肉は生肉ではありませんしゅしゅっ〔いちおう書いとけって友達が言ってました!〕鶏めしなんだしゅしゆっ!鶏めし持ち帰りできるんだしゅしゅ
他にも唐揚げとかカツとか色々ありましゅしゅ
職場がドラ鳥に近いっていいね!
〔生肉を焼いてたべたい人は是非ドラ鳥へ!〕
ふらんしゅしゅっん!←

返信ありがとう!
posted by 山田じゃないたえ | 2018/12/21 10:15 PM |
横槍失礼。ふらんしゅしゅ!の季節到来だな。
座長も風邪には気をつけて。
posted by けーま | 2018/12/22 11:46 AM |
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